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YOICHI ERIKAWA
襟川 陽一

コーエーテクモホールディングス
代表取締役社長

今までにない面白さで
世界のゲームファンの期待に応える

世界No.1企業へ――過去最高の業績を達成、さらなる成長へ

 2020年度は、コーエーテクモグループ全員の頑張りによって、中期経営計画で掲げていた数値目標(売上高510億円、営業利益170億円、経常利益210億円)を大きく上回り、過去最高の業績、11期連続となる増益を達成しました。『ゼルダ無双 厄災の黙示録』が370万本を超えるヒットとなり、『三國志 覇道』で念願のスマートフォンゲーム月商10億円を達成しました。「三國志」のIP許諾収益も急拡大しています。「グローバルIPの創造と展開」の経営方針のもと、この3年で当社は大きく成長しました。
 2021年度から新たな中期経営計画を策定し、2023年度に売上高900億円、営業利益300億円、経常利益400億円と、さらなる成長を目指します。500万本級パッケージゲームや、月商20億円のスマートフォンゲームにチャレンジします。この計画を策定するにあたり、グループの長期ビジョンを「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」としました。デジタルの時代において、世界中のお客様の心の豊かさや活力を生み出すことに寄与貢献する、世界No.1企業を目指します。コーエーテクモの事業はグローバルで拡大していて、世界No.1への道筋に大きな手応えを感じているところです。

みなとみらいから世界へ発信

 2020年の春には、コーエーテクモゲームスの新本社ビルが横浜・みなとみらいに完成しました。「みなとみらい」という名前自体が、21世紀にふさわしい未来型都市を実現するというコンセプトで作られていて、世界に文化や情報を発信していくことを目指して1980年代から開発されています。みなとみらいのコンセプトに合う形で、当社はこの地からオリエンタルなテイストを持ったタイトルを世界のゲームファンの方々に向けて創発していきます。
 社会のあり方は、コロナと共存しながらビジネスを拡大していくステージになりました。私も社員が安心安全な環境のなかでベストなパフォーマンスで成果を上げられるように、仕組みや環境を創っています。また、ソーシャルディスタンスの確保や三密の回避など、政府や各関係諸機関からのさまざまな要請に応えていきながら、収益性と成長性を創り出していくのも会社の使命です。そういう観点から在宅勤務やコアタイムなしのフレックスタイム制など、状況に応じてさまざまな対処を行った上で、稼働状況を100%にキープしています。しっかりとした対策のもと、絶え間なくゲーム開発を続けています。

社会貢献活動

 学術研究でのゲームの活用を支援するために、1994年に公益財団法人科学技術融合振興財団(FOST)を設立しました。私は当初から理事長を務め、個人的に上場で得た資金を、ゲームを活用した教育や研究活動に使っていただきたいという思いで、これまで4億円を超える金額を教育支援活動や研究助成に提供してきました。ゲームが広く社会に受容されていくなかで、FOSTが支援したゲームに関する多くの研究成果を基に、よりよいゲーム産業となることを目指して活動してきました。そのためにも学術研究への助成は変わらず続けていきたいと思います。SDGsといった企業市民として社会の要請に応える活動とともに、ゲームがより社会に役立つ存在であるために、社会貢献活動には積極的に関与していきます。

▲FOST 25周年記念講演会

「創造と貢献」に込めた思い

 「創造と貢献」は、コーエーテクモの精神と呼んでいる基本理念です。私が1981年に初めて作ったゲームタイトル『川中島の合戦』は、お客様から高い評価をいただきました。武田信玄と上杉謙信が戦った歴史的事実を踏まえたシミュレーションゲームで、アクションゲームが主流だった当時、それまでにない“考えて楽しむ”タイプのゲームでした。その新しい面白さに大きな支持をいただきました。そこがスタートになり、「第二作目を早く作ってください」「もっと歴史のゲームを作ってください」といった要望に応えるために、継続してゲームを作れるゲームソフト専業の会社になろうと決意しました。このようにお客様から声援をいただいてゲームソフト会社を始めた経緯や、社会に役に立つという仕事に初めて出会えたという気持ちが、「創造と貢献」という言葉になっています。
 また、商品コンセプトとして「クオリティ&サティスファクション」を掲げています。これはユーザー目線のコンセプトなのですが、この理由は私が筋金入りのゲーマーだからです。私はクリエイターであり、ゲーマーでもあって、いつも新しい面白さを持ったゲームを楽しみたいと思っています。ゲームファンの方々の気持ちもまったく同様だと感じています。ゲームファンの方々が素直に喜び楽しんでくださる上質で最高のゲームを作ることがゲーム会社の役割であり、存在意義でもありますので、それに向けて頑張ろうということです。評価サイトのMetacriticや雑誌のファミ通などで高得点を取ることが、具体的な目標になると考えています。

ゲーム業界には活躍できるステージがある

 最近は大学での講演が増えました。今までに東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学などで講演し、他の多くの大学からも要望をいただいています。講演の際に、伸びていく業界や会社で思いきり頑張ることが、社会人としてのやりがいや生きがいに通じると話しています。私は染料工業薬品の業界で生まれ育ち、落ち込む繊維産業のなかで一生懸命頑張ったのですが成果には結びつきませんでした。それに対して、拡大発展していく業界や会社で思いきり頑張ると必ず成果に結びつく。当社は継続的に業績が伸長し、世界のゲーム産業自体も、私が1980年にゲームの開発に携わるようになって以来、基本的に成長を続けています。当社の採用サイトを見られたということは、ゲーム業界に興味があるからだと思いますが、決して期待を裏切らない活躍の場を、ゲーム業界はあなたに提供します。そのなかでも、オリエンタルな歴史や文化をテーマにしたゲームを過去40年間にわたって作り続けているのは世界的に当社だけです。日本やアジアのすばらしい文化を世界に発信していける醍醐味を感じてほしいと思います。ぜひ当社で一緒に活躍してください。

▲『京都大学 通信情報システム専攻談話会』/『東京大学 工学部 講演会』
『早稲田大学 講演会』/『慶應義塾大学 大学部創設125周年記念 商学部講演会』
コーエーテクモホールディングス
代表取締役社長

襟川 陽一

えりかわ・よういち/栃木県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、(株)光栄を設立。元々染料工業薬品販売を営んでいたが、パソコン購入を期に、自力でソフトウェアの開発やゲーム開発を始める。本業の傍ら制作した「川中島の合戦」がヒットしたことで本格的にゲーム制作ビジネスを始動させ、名作「信長の野望」や「三國志」などのIPを生み出した。2009年4月にゲームソフト会社のテクモ(株)と経営統合し、(株)コーエーテクモホールディングスを設立。全世界で300万本を超えて出荷したダーク戦国アクションRPG『仁王』では、ゼネラル・プロデューサーを務めた。