特集記事
社長メッセージ
2025.06.19
パイプラインの強化と成長投資で「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」の基盤を築いていきます
代表取締役 社長執行役員CEO 鯉沼 久史
コーエーテクモの存在意義とビジョンを胸に
当社グループはコーエーテクモの精神「創造と貢献」とコーポレートスローガン「Level up your happiness」の2つを存在意義(パーパス)として掲げています。存在意義は「社会にとってどのような存在であるべきか」を示すものであり、新しい面白さでもっと幸せな世界の実現に貢献していくことが私たちの役割です。このたび代表取締役 社長執行役員 CEOに就任した私も、この存在意義を具現化していくために、これまで培ってきた経験と情熱をもって挑戦を続けてまいります。
当社グループは将来のありたい姿である「世界No.1のデジ タルエンタテインメントカンパニー」をビジョンとし、その実現 に向けた第一歩として、10 年を見据えた長期ビジョンを設定 しました。世界のデジタルエンタテインメント企業の営業利益 額※1でトップ 10入りすることを目指していきます。将来的に大 型タイトルを毎期1本以上発売できる体制構築を目指し、収 益基盤を着実に強化させながら、世界中の皆様に喜びをお届 けする作品を創出してまいります。
世代や文化を超えて愛されるIP(知的財産)・タイトルがお
客様から多くのご支持を頂くことで利益となり、それが次の
開発原資となって、更に新たなタイトルを生み出す。この循環
をより強固に築き上げることこそが、私の使命であり、当社グ
ループが歩むべき道だと信じています。
※1 自社調べ
IP(知的財産)で築いた新たな成長
私は1994 年、株式会社光栄(コーエーテクモゲームスの前 身)に入社して以来、プログラマーとして経験を重ねてきまし た。アクションゲームにおける光栄初の大ヒット作「真・三國 無双」シリーズで確立された、一騎当千の爽快感ある「無双ア クション」というゲームシステムに"戦国時代"という歴史の要 素を掛け合わせて開発したのが私がプロデューサーを務めた 『戦国無双』(2004 年)です。この組合せは、ゲームシステムと 異なるIPの掛け合わせによって、新たな面白さが創出できるこ とを示し、多くのユーザーから高い評価を得ました。
この成功をきっかけに「無双アクション」は、独自のゲーム システムIPとして定着しました。加えて、ゲームシステムIPに他 社様のIPを組合せ、更に開発費用や成果を協同で分かち合う 「協業(コラボレーション)」という新たなビジネスモデルを確立しました。以来、私たちは協業タイトルを次々と生み出し、今 では当社グループの重層的な収益構造を支える堅固な柱の 一つへと成長しています。
続いて私が取り組んだことは、開発基盤となる組織体制を 「ブランド制」にすることでした。2015年に私が、コーエーテク モゲームスの社長に就任した当時は、コンソール・PCゲーム を開発する「ソフトウェア事業部」とオンラインゲームを開発 する「ネットワーク事業部」というプラットフォーム別の事業部 構成であったのを、IPを軸とした5つのブランドとして再編し、 ブランド制を導入しました。現在は6つのブランドと1つのスタ ジオという構成で、それぞれが際立った独自の個性を持って います。各ブランドは、得意とするジャンルを伸ばすことで、IP の価値を高めています。ブランドごとに異なる強みを持つこ とにより、幅広いジャンルに対応できる開発力が培われ、結果 として柔軟な制作体制が整いました。また、他社IPとのコラボ レーションにおいてもそれぞれの特性を生かし機動的に力を 発揮することで、ビジネスの選択肢も着実に広がっています。
第3次中期経営計画(2022-2024 年度)
挑戦がもたらした貴重な資産
第3次中期経営計画では、単年度営業利益 400 億円、コン
ソール・PC分野では500万本級の新規 IPタイトルと毎期200
万本級のタイトル、モバイル分野では月商20億円のタイトルと
複数の月商10億円のタイトルを重点目標としました。2022 年
度には営業利益、2023年度には売上高が最高額を更新し、営
業利益額の世界ランキングも2021年度 20位から2024 年度は
17位と順位を押し上げる流れをつかみつつあります。目標に
は届かなかったものも一部ありましたが、期中に計画したタイ
トルはすべてローンチし、一定の成果を上げることができまし
た。中でも 2024 年3月にリリースしたオープンワールド※2 アク
ションRPGゲーム『Rise of the Ronin』はユーザーから高い評
価を頂きました。当社グループにとって新たな分野への挑戦
であったオープンワールドのコンソール・PCゲームやGPS
た。中でも 2024 年3月にリリースしたオープンワールド※2 アク
ションRPGゲーム『Rise of the Ronin』はユーザーから高い評
価を頂きました。当社グループにとって新たな分野への挑戦
であったオープンワールドのコンソール・PCゲームやGPS
を使ったモバイルゲームにも取り組み、幅広いノウハウを蓄積
することができました。これらの経験からグローバル市場で戦
うために必要な課題も明確になりました。大型タイトルへの
チャレンジは継続しつつ、多様なラインアップを持つことの重
要性も改めて認識しました。市場や技術、ユーザー行動の変
化を踏まえ、開発体制強化やAAA※3水準への品質向上、コス
ト管理、グローバルマーケティングに一段と力を入れていきま
す。そして、これまでに得られた知見を2025年度からの第4次
中期経営計画で実行し、次なる挑戦の成功可能性を高めてい
きます。
※2 オープンワールド:プレイヤーが広大な仮想空間を自由に移動し、物語を進められるゲーム
※3 AAA(トリプルエー)タイトル:高い水準のグラフィック・物語性・大きなスケールが揃った、ユーザーや市場から高い期待を集める大作ゲーム
第4 次中期経営計画(2025-2027年度)
世界トップ10入りに向けた「成長のための基盤づくり」
ビジョンの実現に向け、この10年でデジタルエンタテインメ ント企業営業利益世界トップ 10入りを目指すための出発点と なる第 4次中期経営計画では、ゲーム開発における成長の土 台として、パイプラインの数を増やすことに注力します。また、 成功の確度を高めるため、タイトルのポートフォリオ全体とタ イトル個々の品質をしっかりコントロールしていきます。加え て、人的資本の強化を主要テーマとし、3つの人材戦略(新卒 入社者を中心とした多様な人材の確保、成長を実現する人材 育成制度、安心して長く働ける社内環境の構築)に基づく人材 育成や待遇の充実を通じて、継続的にタイトルをリリースでき る開発体制の構築を図っていきます。
また、海外展開にも力を入れ、海外拠点を中心とした開発 力とマーケティング機能を強化します。更に、プラットフォー マーとの協力関係を深めつつも、将来的に自社でのグローバ ルな販売体制を整えることを目指し、インドや東南アジア等 の市場へ積極的に進出していきます。
こうした取り組みにより、中計期間中に、3カ年累計の営業 利益1,000億円以上と単年度の営業利益400億円の目標を確 実に達成し、当社グループの持続的な成長へとつなげます。そ して、第4次中期経営計画を確固たるものとするために、3つ の施策(①経営基盤の強化 ②事業戦略 ③キャッシュアロ ケーション)を軸とした成長投資を図ると共に、ROEは現状の 20%を上回る高い水準を維持してまいります。利益還元につ いては「連結年間総配分性向50%、あるいは1株当たり年間 配当50円」を基本とし、安定的な配当を実現します。
更なる成長に向けて
更なる成長に向けて 当社グループは「創造と貢献」の精神のもと、独創的なエン タテインメントを創発し、最高の体験と感動をお客様に届ける ことで、社会に貢献してまいります。長期ビジョンの営業利益 額世界トップ10の壁を越えるためには、これまで培ってきた開 発力とノウハウを生かし、世界を驚かせるタイトルを継続的に 創出することが不可欠です。その実現には人材の拡充と育成 が伴となります。現在の約 2,600人から5,000 人規模の会社へ と拡大し、「新しい面白さを実現するクリエイター」と「成長性 と収益性を実現するビジネスパーソン」が両立できる人材を育 成していきます。また、企画から販売まで一貫して推進できる 体制の構築を目指していきます。
当社グループのブランドは着実に規模を拡大しています。 今後、現在のブランドと異なる特性を持つ開発ラインができ た場合は、新たなブランドとして展開し、これまで以上にバリ エーション豊かなプロダクトを生み出せる体制にしていきま す。こうした取り組みによって、パイプラインは一層多様化 し、ユーザーの期待に応える幅広いラインアップの実現が可 能になります。豊かなパイプラインこそが、次なる成長の原動 力であり、競争優位性を一層高める基盤になると確信してい ます。
株主や投資家を始めとするすべてのステークホルダーの 皆様には、当社グループの挑戦に引き続きご期待いただくと ともに、ご支援いただけますと幸いです。これからも新たな 価値を創造し、企業価値の向上と社会への貢献を両立して まいります。