特集記事
会長メッセージ
2025.06.19
新体制のもと、監督と執行の分離で
更なる持続的な成長を実現させます
代表取締役会長 兼 取締役会議長 襟川 陽一
ステークホルダーの皆様へ
平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。このたび当社は、経営の監督と執行の分離を進め、経営体制を強化いたします。私は、2025 年 6 月19 日付で株式会社コーエーテクモホールディングスの代表取締役会長 兼 取締役会議長に就任し、経営の監督に注力いたします。また、代表取締役 社長執行役員 CEO として鯉沼が経営の執行を担います。新たな経営体制のもと、当社グループは、ビジョン「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」の実現に向け、まい進してまいります。
コーエーテクモの精神とビジョンに対する思い
私たちの存在意義の一つである「創造と貢献」とは、まだ誰も体験したことのない新しい面白さを創り出し、世界中の皆様の心を豊かにすることです。これは当社グループが取り組むべき社会課題の解決につながるものであると考えています。この思いは、1981年、歴史ゲームがほとんど存在しなかった時代に独学でプログラミングを学び『川中島の合戦』を開発・販売した頃から変わりません。当時、多くのお客様から電話や手紙で「こんなゲームを待っていた」という声をちょうだいしました。自ら生み出した新しい価値がお客様に喜ばれる、その手応えこそがコーエーテクモの原点となりました。 当社グループは「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」の実現をビジョンとしており、世界のデジタルエンタテインメント企業の中で営業利益額1位※1となることを目指しています。営業利益は単なる財務指標のみならず、当社グループのタイトルを支持してくださるファンの皆様の "声援"が、数字として結実したものにほかなりません。次なる挑戦を可能にする開発資金の源でもあり、創造の循環を支える根幹でもあります。
私たちは、営業利益で世界1位となれる企業こそが、最も多くのお客様から選ばれ、継続的に「新たな面白さ」を提供し続けられる企業であると確信しています。この考えに基づき、私たちは常に世界のゲームユーザーが「アッ」と驚くようなタイトルの創出に挑み続け、その意義と責任を社内外に発信してきました。これからも「これまでにない、新しい面白さ」を追い求め、世界中のお客様に感動と喜びを届けることで、当社グループのビジョンの実現に向け、一歩ずつ進んでまいります。そして、グローバル市場での存在感を高めると同時に、企業価値の更なる向上を図っていきたいと考えています。
※1 自社調べ
監督と執行の分離と新体制への移行
私は、経営統合後の 2009 年から次世代経営層の育成を視野に入れ、これまで16年をかけて段階的な権限移譲を進めてきました。経営統合前の株式会社光栄の時代から複数の大型タイトルを並行して成功に導いてきた鯉沼を、コーエーテクモゲームスのソフトウェア事業部長※2、代表取締役社長、そしてホールディングスの代表取締役副社長へと段階的に任用してきました。鯉沼は、徐々に自らの経営範囲を拡大しながら実績を積みました。社外取締役を交えた指名報酬委員会で、十分な時間をかけて客観的な評価を行い、議論を重ね、このたび新社長として指名するに至りました。
新体制における襟川恵子名誉会長と私の第一の役割は、取締役会での経営の監視・監督であると考えています。経営計画 , 開発・人的資本への投資、配当原資の最適なバランス、M&Aへの投資等、重要な意思決定の妥当性を点検し、迅速に実行する仕組みを整備していきたいと考えています。また、余資運用についても、運用対象やリスク許容度を明文化し、次世代へ着実に引き継ぎながら、企業価値向上と株主還元の最大化を図っていきます。
※2 現在のエンタテインメント事業部
次世代経営層への期待
当社の社長には、何よりもヒットゲームを生み出す役割が求められます。ビジョン「世界 No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」を目指すには、ヒット作を継続的に創出することが不可欠だからです。新社長となる鯉沼は「無双」シリーズの成功や他社との協業(コラボレーション)といった当社グループの軸となっているビジネスモデルの構築において実績を上げてきました。こうした功績があるからこそ、当社社長として適任と言えます。
そして、将来の経営層を担う人材についても、同様に複数の大型プロジェクトを統括し、「品質・納期・予算」をコントロールしながらヒットゲームを創り出す能力を求めています。こうした資質を備え、多くのお客様に楽しんでいただけるゲームを生み出す次世代リーダー候補は、すでに社内に多数在籍しており、その後に続く人材も着実に育っています。現在の経営陣が連携し、鯉沼新社長が率いる次世代経営・リーダー層を支えながら、一丸となって当社グループのビジョン達成に向けて着実に歩んでいきたいと考えています。
人材育成で持続的な価値向上へ
「創造と貢献」の精神を体現し、継続的にヒットタイトルを生み出すためには、「クリエイティブ&ビジネス」すなわち、クリエイティビティとビジネスマインドを併せ持つ人材の採用・育成が欠かせません。加えて、待遇面での充実はもちろんですが、開発環境を始めとする働く場の整備に積極的な投資を行うことで、多様な才能が安心して力を発揮できる体制づくりを推進してきました。その成果として離職率は 4~5%台に抑えられ、最近では優秀な新卒の社員をグローバルで200人以上受け入れる等、採用面でも確かな競争力を得ることができています。今後も「クリエイティブ&ビジネス」の両面から人材を伸ばし、世界規模でヒットを創出し続けるための基盤を一層強化していきます。
更なる成長に向けて
「最後に、ある投資家の方から寄せられた言葉をご紹介します。「ヒットを生む力とビジネスマインドを兼ね備えた人材を育て、のびのびと好きなことが言い合える環境こそ、コーエーテクモの競争優位を支える源である」
まさしく当社グループの強みはここにあり、挑戦を支える企業文化にもなっている考えだと思います。私自身、これまで数多くの失敗を重ねてきましたが、その経験は次の成功へとつながる糧となっています。私はこの文化を守り、さらに育てる責任を胸に「世界のゲームファンが新しい面白さを経験する瞬間」を必ず創り出すことをお約束します。これからのコーエーテクモにどうか変わらぬご支援をお願い申し上げます。