人と仕事を知る
文化の違いを知ることは
ゲーム作りにも
いい影響を与える
ゲーム作りにも
いい影響を与える
- ジェシー ノーブル JESSE NOBLE
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プランナー
日本に来てはみたけれど
アメリカの大学にいた頃、日本語に興味が出てきて日本に留学しました。具体的な将来のイメージがあった訳ではなくて、日本で仕事ができたらいいな、くらいの漠然とした感じでした。やりたいことがなかなか見つからなかったんです。日本に来て始めた柔道は大好きで、今も道場に行っています。
英語教師をしながらアニメーションの専門学校に通っていたんですが、だんだん日本のエンタテインメントならアニメじゃなくやはりゲームなんじゃないか、と思ったのがゲーム業界に目を向けたきっかけでした。
「DEAD OR ALIVE」が繋いだ縁
高校時代に遊んだゲームが「DEAD OR ALIVE」でした。一時は毎日のように友達と対戦していましたね。相手の次の動きを読んで回避したり攻撃をしかけたりする、という駆け引きが一番楽しいゲームだと思います。
ある時、アニメーション学校の行事にTeam NINJAのアートディレクター齊藤豊さんが来てくれたんです。「DOAが大好きです」って伝えたら、メールのやりとりをするようになって。これがきっかけでコーエーテクモでアルバイトを始めて正社員になりました。大好きだったゲームの開発チームで働けるなんて、夢にも思いませんでした。
海外とのやりとりは"ニュアンス"と"ビジネス慣習"に注意
今は、主に海外の会社との窓口を担当しています。日本語と英語のニュアンスの違いには特に気を付けています。また、ビジネス慣習の違いには注意が必要です。最悪、仕事が進みません。例えば、アメリカ人にメールを送るなら、3行以内にすること。それ以上だったらもうメールに適していない内容なので、返事をくれない人もいるくらい。だから、資料を添付して「これでいいですか?」という短いメールを送るようにしています。
日本のビジネス慣習には堅苦しいイメージを持っていたんですが、Team NINJAは明るくて気さくな雰囲気です。いいゲームを作るには、みんながフランクにものが言える環境が重要だからだと思います。敬語がうまく使えていないときでも許してくれます(笑)。
「みんな、何をプレイしたいのか」を考える面白さ
グローバルな人材はもっと必要だと思います。日本人だけのチームは「一つの文化の経験値しか持っていない」ということです。自分だってアメリカ文化の経験値しかありません。もっといろいろな文化を持った人がいてほしい。文化の違いを知ることはゲーム作りにもいい影響を与えると思います。
日本でも、海外でも、とにかく人が「欲しい」と思うものを作るのがゲームメーカーの役割ですよね。「これは面白いはず」という自分の意見を貫くことも大事ですが、いろいろな文化を想定して「何をプレイしたいと思っているのか?」を考えることも大事です。むしろ、世界市場を狙うゲーム開発の面白さの一つだと思います。
よりよい経験を提供するのがゲームの意義
いつかはディレクターをやってみたいですね。なんでもやりたいし、自分なら「できる」って思ってしまうタイプなので、ぜひ挑戦したいと思っています。「現実にはできないことができる自由」がある世界で、その中でよりよい経験を提供することがゲームの意義だと思うんです。
道具を買うときって、目的を実現するためですよね。紙を切りたいからハサミを買う、というように。ゲームも同じだと思います。実際には不可能なことさえも体験したい、そういう目的を大事にしてゲームを作っていきたいと思います。