MEMBER社員の声

Senior Expert

JUMPEI TSUDA

技術を生み出すプロセスには、値段をつけられない価値がある。

津田 順平

開発支援本部
技術支援部
シニアエキスパート

スーパーファミコン時代から、ゲームにおける新規技術開発を担当している。ロボット工学やAI技術など、分野の壁を越え、さまざまな先端技術をゲームに取り入れてきた人物。また、1990年には最近注目されている3Dプリンタの原型となる技術を、自社開発したソリッドモデラー「サイクロンSolid」に導入し、工業デザイナーやジュエリーデザイナーに愛好された。現在、日本のゲーム物理では第一人者とも呼ばれる存在である。

コーエーテクモは、先端技術の先駆者。

私が所属している技術支援部とは、ゲーム開発に必要なさまざまな基盤となる技術を研究開発している部署です。何よりもまず映像生成のための先端的なCG技術が研究開発のメインにはなるのですが、一方でシミュレーションやアニメーションなどゲームにおける「動き」に関連した技術開発にも力を入れているのが当社の研究開発の特徴的なところだと思います。ゼロから自社開発している例は非常にまれだと思いますが、破壊シミュレーションやリアルタイムにゲーム状況に対応するモーション生成エンジン(フルボディIKエンジン)など、進化し続けるハードの性能に合わせて、実現可能なテクノロジーをゲーム内に落とし込むことに日々取り組んでいます。技術支援部の発足はスーパーファミコン時代にまでさかのぼります。開発タイトルのチームごとに基盤技術の開発者が分散するのが当たり前だった当時の業界にあって、技術開発を専門とする部署の設置は画期的な試みだったといえるでしょう。その頃から当社はゲーム技術の可能性に着目しており、将来的には、よりグラフィカルで、より精巧なCGが生まれてくるものと予見していたのかもしれません。

先端技術が最も早く製品化されるフィールド。それがゲームです。

実はゲームというのは先端技術のオンパレード。近年話題になっている学習型のAI技術はすでにその原型を「信長の野望」シリーズの早い段階から組み込んでいましたし、某自動車大手が開発したロボットテクノロジーも、ゲーム内でのモーション生成エンジンの参考にしています。その他、建築物の性能解析で一般に使われている技術などもゲーム内の破壊シミュ―ションを実現する上で重要な基礎を与えてくれました。最近、話題になった当社発の技術に「フルボディIKエンジン」があります。

ゲーム内で動作する人物挙動プログラムの一種ですが、従来の単なるモーションキャプチャーでは実現できなかった、環境やゲームの流れに応じて最適なキャラクターの動きをリアルタイムに生成するテクノロジーです。日本が得意とするヒューマノイド技術の応用ですね。PS3やPS4という優れたハードが開発されたおかげで、これら新しい技術の多くをゲーム内に活かせるようになりました。当時は、進化のあまりの速度にいく分困惑したものですが、今では思いつく限りのテクノロジーを導入できるとあって、プログラマー冥利につきる日々を過ごしています。

VR(バーチャル・リアリティ)で挑む。

視覚と身体感覚との誤差から生まれるある種の不快感、いわゆる「VR酔い」を克服することが、今後VR型のプラットフォームが幅広いユーザー層を獲得するために、重要な技術となっていくと考えています。究極のゴールは、すべての身体感覚を何らかのデバイスによってコントロールしていくことですが、さすがにそれはまだ「夢」のゴール。まずは、今現在の技術を使ってVR酔い対策に日々取り組んでいる最中です。VRのような根本的なレベルで革新的なプラットフォームが成功するには、ゲーム業界全体がまとまらなければならないでしょう。

一方で、このVRデバイスを粘り強くエンタテインメントプラットフォームとして追求し続けることで、「仮想」の世界を「第2の現実」として違和感なく捉えることのできる世代、いわば“VRネイティブ”ともいうべき世代が育ってくるものと考えています。人間の脳が持っている外部環境に対する適応能力は、想像以上の柔軟性があるので。そんな時代がやってきたとき、ゲームプラットフォームはまったく新しい時代に突入するのだと思います。

技術は買うものではない。生み出すものだ。

業界に先んじて技術開発を行ってきた歴史が物語っていますが、コーエーテクモは「技術を買う」という選択肢よりも「技術を生み出す」ことに情熱を注ぐ会社。“生み出した”という結果とプロセスは、値段がつけられないほどの価値があります。ゲームとは総合芸術だといわれますが、音楽、美術、演劇、踊り、武道など、あらゆる面においてコーエーテクモは手を抜かない会社です。その積み重ねが、他社が真似できないノウハウとして蓄積されているのです。

同様に私の部署においても常に最新技術に挑戦し続け、これまでにない斬新な技術を生み出していきたいと思っています。これは義務でも責任でもなく、単純にそれが一番楽しいからです。これほどまでに多種多様な最新技術を使える分野は他にはありません。先端テクノロジーに興味を抱く学生はゲーム業界を視野に入れて決して損はないと考えています。共に、ゲーム業界を次なるステージへと導きませんか。